若い時には死ぬのがどうしようもなく怖いと思い心落ち着かない時が二度や三度は誰でもあると思います。しかし旨くしたもので年老いてくると死んでも良いやと思えて来るように成ります。もちろん現実に死に直面すれば生きたいと思うと思いますが、とにかく年老いて来ると死を受入れられる様になって来ます。

 自分の死、死ねば死にっきり後は何もないのだと思います。従って、私個人としては何も云うことはありません。敢えて云えば御墓は地球でお花は太陽、月はぼんぼりで十分です。空でも海でも山でも何処にでもまいて下さればありがたいです。しかし本当は死は死んだ者の物ではなく生きている人達のものだと思いますので生きている人達の気の済むようにして下されば良いと思います。

 他人の死、確かに会ってまた話をすることは出来ませんが、何時でも思い出すことが出来、何も無くなる事はありません。本人に対する思いやイメージは死んでからも変わったり、深まったりもします。そういう意味では生きている時と余り変わらないとも云えます。

 みんな必ず死ぬのです、早いか遅いかの違いはあります。死に方も色々です。けれども死んでしまえば良いも悪いも有りません皆おなじで平等に思えます。長く生きたから良い・幸せだと云うことも、早く死んだから悪い・不幸だと云うことも無いように思います。